尺骨神経麻痺
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更新日:2012.10.09
最近のメルマガでは、日々の臨床で見かけた気になる症例について、書いています。

今回は尺骨神経麻痺についてまとめたいと思います。

(原因)
尺骨神経麻痺の原因の多くは絞扼性神経障害で、絞扼される部位は肘関節内側の肘部管、手関節尺側の尺骨神経管(Guyon管)が大半です。

これらの場合特に誘因もなく発症することが多いです。

また、骨折や圧挫などで神経が圧迫される閉鎖性損傷や、切刺創による開放性損傷により発症することもあります。

(症状)
損傷高位に応じた支配領域の障害が出現します。

おおまかには、前腕屈筋麻痺を伴う高位麻痺と、手内在筋麻痺のみの低位麻痺とに分けられますが、損傷部位と程度によって多彩な症状を呈するので、詳細な問診と、外傷がある場合は、その正確な位置の判断が重要です。

その際には神経が障害された部分をたたくとしびれが放散するTinel徴候は非常に役立ちます。またしびれや知覚低下の範囲と前腕及び手内筋の筋力テストも行います。

軽症の場合はしびれや知覚低下だけを来します。

部位は環指正中線より尺側の掌側および背部で、小指の指腹部に知覚障害が出現すると尺骨神経麻痺の可能性は高くなります。

ちなみに、その神経しか支配していない領域を固有支配領域と言い、尺骨神経では小指の指腹部が該当します。

神経の圧迫や損傷の程度が強くなると筋力低下を来します。

その場合には尺骨神経支配領域の手内在筋群の萎縮が起こり、guttering(指と指との間が凹み、特に母指と示指の間で著明)、小指球の萎縮などがみられ、環、小指は鷲手変形を呈するようになります。

また骨間筋麻痺のため第2から第5指が開排不能となり、母指内転筋が麻痺するため、ピンチ動作の傷害、握力低下を来します。

(検査法)
Froment徴候、鷲手変形(尺骨神経麻痺)、筋力テスト(手内筋及び前腕屈筋群)、神経伝導速度

(治療方針)骨折、圧迫など閉鎖性損傷に合併するときは有連続性が多いので、Tinel徴候の伸びを追跡しながら一定期間待機し、筋の再神経支配を待ちます。

開放性損傷では、神経が断裂している可能性が高い場合には、早期に局所の展開を行い損傷程度を確認し、神経縫合や神経移植を行います。

神経再生が期待できないとき、腱移行術で手の機能の再建を行います。
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